争点は実は一つしかない。

 今回の選挙で、郵政民営化よりも6カ国協議の進展を、という人々がいる。
 ちょっとまて。
 まず朝鮮戦争のころからの韓国北朝鮮の歴史をちゃんとふまえているのか?
 北朝鮮自身、イルソンがソ連もしくは中国にそそのかされて、米軍が韓半島に手薄なときをねらって勝手に北朝鮮を押っ立てて38度線を南下して戦争を始めたじゃないか。
 そして、戦争自身米軍の見込みの甘さでドンドン押し込んで、プサンとか数カ所以外は押し出して、米軍はやばくなって、インチョン上陸作戦で今度は米軍が押し返したら中国が肩入れして38度線で停戦しただけだろ。
 よく考えずとも、まず朝鮮戦争は南北会談があっても、まだ終わっていないはず。その南北会談も韓国のキムデジュン大統領がノーベル賞を金で買った結果であるというのも周知の事実で、韓国国内でその追及は未だ続いている。
 で、その終わっていない戦争を終わらせたいのは、人件費の安く資源もある北朝鮮で一山当てたいという山師的なビジネスマンばっかりだ。
 彼らは儲かれば何でもするのである。折れるボルトで人が何人死のうと、警察に捕まらなければ捕まるその瞬間まで売り続けるのだ。だからコンプライアンスなんて言葉が今更必要になる。ビジネスにモラルはもう存在していないのだ。
 で、その終わっていない戦争の結果が朝鮮総連ではないか。韓国大使館はあっても北朝鮮大使館はないのである。総連が代わりをやっているというのだが、現実は北朝鮮を日本は国として認めていない形になっている。アメリカもそうである。
 つまり、北朝鮮というのは手薄などさくさマギレに領地を主張するテロリストなのである。
 そう、テロリストと分かれば北朝鮮の本質が見えるだろう。拉致はする、麻薬偽札は作る、そしてラングーン爆破事件、大韓航空機爆破事件。これこそテロ国家ではないか。
 その北朝鮮と話し合うというのは、まず相手がテロ国家であることをふまえていない限り行ってはならないのだ。
 韓国は馬鹿な若い世代に覆われつつある。南北分断が自分たちの民族の問題ではなく、韓国の漢江の奇跡につながる復興を支えた日本とアメリカに後足に砂をかけても平気な反米反日教育を受けた世代、漢字も読めず、歴史的にも正しい歴史などと言う歴史を学ぶ者にはイデオロギーでないものしか分からない世代が生まれた。
 彼らは知らない。日本と同じように、韓国国民が今もなお北朝鮮に拉致されて虐待されていることは韓国現政権の太陽政策で見えていない。偽札も麻薬も。まさしく北朝鮮は『ルパン三世カリオストロの城』のカリオストロ公国と同じ、テロリストがなれの果てに国連の議席まで持ってしまった状態なのである。しかし、それを韓国国民は知らない。全てが日本とアメリカのせいでうまく行かないと思っているのだ。
 私自身、南北統一旗を見るたびに、朝鮮人には恥という概念がないのだなと思う。北朝鮮国民が飢餓に瀕しても、日本とアメリカに屈しなければ同胞なのだといって憚らず、果てには自らの統一も自分でできない無力の象徴でもある統一旗を掲げる。しかもあんな馬鹿でっかく。自分たちの民族を守ろうという気概すらなく、ただひたすら清に甘え、内紛に明け暮れた明治初期の自らの歴史の恥をあんな大きく晒しているのだ。
 そんな恥知らずが1番の北朝鮮・2番の韓国と結託しているし、3番目はアメリカは自分の所にミサイルが届かなければいいや程度に思っているし、4番ロシア・5番中国はつい先日まで台湾に当てつける軍事演習をしているし、ロシアは未だ利にさとい程度で日本にパイプラインを引いてシベリアの資源を売ろうと思っている程度だが、中国は台湾侵攻の隙を窺っている上に『セブンイヤー・イン・チベット』でも表現しつくせなかったほどの残虐行為でチベットを侵略した国である。
 見れば分かるように、6者協議のうち、まともな国は日本ぐらいなのだ。というか、他の5者(アメリカはその点で程度はマシだが)は全て日本にたかること、日本を弱体化させることしか考えていない会議なのだと言うことをなぜ誰も分からないのだ? オカシイとは思わないのか?
 その6者協議で拉致問題を日本が言ったところ、他の国はどうだったか。北朝鮮拉致問題は解決済みと言った。つまり、解決していると言うことは拉致被害者はいないわけで、いない人間がいるというのは不正だから殺してしまえるというテロ国家の論理で来る可能性は多大なのである。
 しかも、それを中国と韓国は『日本は余計なことを口にするな』と恫喝したのである。
 アメリカもロシアも、メンドくせえなあと思っている節があちこちに見える。
 こんな会議で拉致問題が解決できると思う人は、よほどおめでたい人たちだなと思う。噴飯モノではないか。結局、米ロはテキトーにうまくやれや、でも核を持つのは駄目だ程度の関心しか無く、中国北朝鮮韓国は全て結託して日本から金を吐き出させようとしている。
 これはハッキリ言って、ワナではないか。進展するわけのない会議で、困るのは拉致家族の安否を握られている日本だけだ。そうなると、その安否を問題にすればするほど身代金を釣り上げられることになる。
 忘れちゃいけない。拉致問題とはあくまでも北朝鮮というテロ国家が行った国家的誘拐を解決するための人質奪還作戦なのだ。
 ハッキリしている。6カ国協議で拉致は解決できない。
 だが、それを今の選挙で6カ国協議を問題にせよと馬鹿なマスコミとそれに迎合する政治家が言ってのける。しかし、日本には拉致被害者の安否以外に北朝鮮と対話する利益はないのである。あるとしたらハマグリあさりシジミに松茸と言った北朝鮮と連んで金儲けしたいダーティーな山師ビジネスマンの欲望だけなのである。
 とんでもない話だ。日本にとって争点は拉致被害者の奪還だけであり、その他の見返りは全てテロリズムへの迎合と身代金をせびる北朝鮮という犯罪者への追銭である。その追銭すら自分たちの腹の肥やしにしたいダーティービジネスマンがいるだけなのである。そのダーティービジネスのために6カ国協議の枠組みと言っているだけである。
 こんな噴飯モノの協議を、それでも決裂すれば拉致被害者の安否にかかわると堪えているのが今の日本政府である。その苦しみに耐えれば、きっと解決もするだろうと耐えているのである。
 ずばり、それを堪えることに比べれば、郵政民営化など小さな話である。だが、逆に考えてはいけない。郵政民営化よりも解決すべき問題がある、じゃない。郵政民営化ごとき小問題をクリアできない政治家が拉致家族を奪還する手腕をもっているはずがあるかなのだ。
 あれをいえば別のモノを先に解決せよとは無能の会議の典型である。小さな問題で、犠牲の出る問題を解決する覚悟で臨むか、それとも先送りして美味いことだけ言って問題をこじれさせるか、その政治家の矜持が今問われている。
 ちなみにキムジョンナムを拉致問題の解決の取引材料にしなかった無能外務大臣は例の新潟の『ちょっとトイレ行かせてください』の女性外相であった。彼女が何を言っているか。よく見れば、政権選択肢は一つしかない。
 痛みに耐えられないとマスコミは声を拾う。だが、本当に痛んでいる拉致被害者に比べれば、将来の不安はあっても今暮らす屋根のある我々のほうがずっとまだ余裕がある。
 6カ国協議は噴飯モノである。それを争点としたい人間はダーティービジネスを狙っているか、それとも単にこの世の中の本質が痛みであることすら分からない馬鹿かどちらかだと言うことを忘れてはならないのだ。
 そして、ちゃんとこの文脈を考えられないのに、郵政民営化の是非と聞かれて、斜に構えてネタとして6カ国協議と答えるものに、私はあきれるというか、苛立つ。分かっていってんの? その問題、と問いつめたい。