青年誌の実力と面白い本

 『味いちもんめ』のアンコール版を買っている。それぞれ1話ずついい話でよい。

家栽の人 (1) (小学館文庫)

家栽の人 (1) (小学館文庫)

 『家栽の人』は書庫に全巻そろっている。これもいい話。
 こういう青年誌系統がツボだなあ。
 『沈黙の艦隊』なんかも読んでいた。『ジパング』これからどうなっちゃうんでしょう。『沈黙の艦隊』は途中から法螺がモノスゴク大きくなって、どうオチを付けるかと思ったらああいうオチだったしなあ。危険側へ危険側へと書き進むのが良い所なんだろうな。
 やっぱり中村雄二郎と言ったら『術語集』でしょう。これは必読。とても面白い。
術語集―気になることば (岩波新書)

術語集―気になることば (岩波新書)

魔女ランダ考―演劇的知とはなにか (岩波現代文庫)

魔女ランダ考―演劇的知とはなにか (岩波現代文庫)

 私の場合、『魔女ランダ考』はプリンセス・プラスティックのシリーズを構想した時にかなり影響された。今ではすっかり忘れたけど、また読み直している。校内暴力が大昔のヨーロッパの中世の学校からあったとか、ホント、脳味噌の栄養という感じでいい。現代哲学の中で、安心して読めたのは中村雄二郎だけだった。他の人は敷居が高すぎたなあ。
 あと中沢新一『虹の階梯』もよかった。
改稿 虹の階梯―チベット密教の瞑想修行 (中公文庫)

改稿 虹の階梯―チベット密教の瞑想修行 (中公文庫)

 中沢さんはオウム真理教事件で失脚したけど、復活したようだ。この人の受容理論は非常に明快で面白い。シファの量子実装システムって、図にすると曼陀羅だったり。演劇論で言えばまさしく機械仕掛けの神です。シファって。
 みんな大学浪人時代の読書。あのころは今よりあんまり読めないし書けなかったけど、でも素地を作ることができた。
 今書いている話では、一人の内的宇宙と他人の内的宇宙の関係を書いている。所詮他人だし、自分の内的宇宙、内的世界でさえ検討が難しいのに他人の内的宇宙を受け止めることができるかという問題。面倒だけど、これが客観の世界に置いた死と生の輪廻、アメノミナカシステムのキモなのだ。
 果たして作者はどこまで自身を抜きに客観を描けるのか。非常に厳しい命題である。だからこそ、『3つのティーカップ』では、フィクション化したけど、あえて自分を追い込んでいる。
 ちなみにユキさんは槇原敬之が我が家の3人目の家族に欲しいらしい。私は加藤あいもしくは加藤ローサとかそこらへん。やっぱり夫婦になって、三人目の役をしていた猫も衰えてきて、夫婦の間にもう一つの変数が欲しくなりつつあるのだ。
 だから世の夫婦は子供を作るのかもしれない。一人でも限界があり、二人の関係にも限界があるけど、でも三人になれば、またそれでまたいろいろな出来事を通じて学ぶことができる。
 家族というもの、ファミリーというもの。ミンタさん(猫)がその三人目になっていてくれるけど、高齢で心配なのである。
 もう一カ月近くご飯を食べていないのだ。動物病院に行ってもどうにもならないといわれてしまった。
 でもとうのミンタさんはヒゲもピンとしているし、だいぶ足腰が弱ったがそれでも幸せそうに穏やかに眠っている。
 もうちょっとで春だ。ミンタさんにはもう少し頑張って欲しい。なでながらそう思う。