シファ新図版

 いや、『ヴァリス』発売記念とか考えているうちに練度維持のためにシファを描いてみたんです。練度維持もあるけど、中学以来の幸運の宝船なので、定期的に描かないと。
 晩ご飯を食べたあとにノートに落書きし、案外落ち着いたのでスキャンしてPCでA4に拡大、トレスペーパーでクリンナップしてスキャン、PCで着彩。
 
 締切が近いのに何やっているんだろうと思いつつ。所要3時間。

 『味いちもんめ』を読んでいて、『道具』の話に感心する。熊野のおやじさんが調子が悪いという話で、病気かと思ったら、という話。
 小さな事なんだし、道具を選ばずどんな状態でも仕事をするのが名人というのは確かにある。趣味で好きな時だけやるんじゃなくて、イヤな時、辛い時もやりつづけるからプロなんだというのもある。
 だけど、本当の名人芸は微妙なバランスの上に成り立っていて、ちょっとした身につけるモノのことだけでも影響する。名人芸とは、そこまで深いのだ。
 私なんかはまだデビューして10年も経たないヒヨッコなんで、もう自分では無我夢中、必死にやる以外やりようがないのだけど、ずいぶん道具に助けられているなあと思う。
 とくにPCは、ゲイツOSだのMacだのというけど、どっちにせよ昔に比べれば格段に便利になった。昔はフォトショップもなかったのでどうやったら絵が描けるか分からなかったし、エディタもけっこう紆余曲折した。
 ワープロ一太郎で書いていた次期があったけど、いまは検索性能を重視してテキストエディタgrepをやったりしないと設定が矛盾するので、テキストベースの仕事。
 始めは秀丸だったけど、自動保存の仕組みが腑に落ちなかったのでWZにした。出先でのメモはモバイルギア。MK-12のいわゆるDOSモバの頃から初めて、未だにモバイルギアCLIE-TG50に簡略化しようと思ったけどツクリがヤワなのでだめだった。今はポケットWZをモバイルギアに入れている。CE標準のエディタはカーソルが見えにくいのだが、ポケットWZはカーソルの形状をカスタマイズできる。便利。
 フォトビューワーはモバイルギアに負担をかけたくないので最近はPSPを使っている。出先で写真を見せる時に便利。UMDとしてリッジレーサーズが入っているけど、外出した時は寸時を惜しんでテキストを打つのでモバイルギアばかり使う。
 でもCLIEも結局録音に使っている。実はポッドキャスティングをやろうかと思って、実はサーバもやっているんだけど、その時にユキさんとの会話を検証してみようと車で出かける時に録音をする。あと、マンションの理事会の仕事もCLIE。ICレコーダーとしてはCLIEは結構役に立ってくれている。
 で、プリンタはCanonレーザープリンタ、LBP-1210を使う。出力のためにシェアウェアのWinLprtを使う。これでやるとテキストをかなり細かく印刷できる。内で使う書式はA4横使い2段組で80桁120行。これだと300枚クラスの長編でも20枚以内に収まるので、クリップで留めて持ち歩き、時間がすこしでもあれば校正をする。今は2つの長編を並べてやっている。
 その片方の出来が疑問なので苦しい。アイディアとしては凄いんだけど、実力が追いつかない。基礎的な描写力が足りない。何気なく親しくさせていただいている浅暮三文さん(推協賞受賞)の『カニスの血を嗣ぐ』を再読している。いやー、コピーライターだけあって、今読むと凄いなあと思う。
 

カニスの血を嗣ぐ (講談社ノベルス)

カニスの血を嗣ぐ (講談社ノベルス)

 
 考えてみれば、そういう本来書店で買った活字でしか出会えない凄い人たちと一緒にパーティーに行っていたんだな。宮部みゆきさんに『ヨネタ君、お寿司の列の最後尾はどこ?』などと聞かれたり、京極夏彦さんと唐木さん話したりしたけど、今思うと恐れ多かったなあ。今になって恐縮している。
 
 あと思い出したけど、もう東京大空襲の日、3月10日を過ぎていたんだなあ。核兵器もひどいけど、都市無差別空襲というのもひどかったと勉強している。感情と理性というのは漱石も苦しんだようだけど、私も全然比較にならない浅い次元ながら苦しんでいる。