元宮内庁長官メモ問題

Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 昭和天皇A級戦犯合祀に不快感…宮内庁長官メモ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060720-00000006-yom-soci

 だいたい出てくるタイミングが良すぎるよ。それに朝日クオリティレベルならコレぐらいのねつ造はいくらでもあり得るし。あの永田元議員の墨塗り献金メール問題がちょっと前にあったばっかりだし、信頼は全く置けない。
 内容はというと、うーん。御心はもっと複雑であったと思うのだが。御心は基本的に『最大の戦犯は自分である』というものであったようだし、そこで合祀問題を今更つつくようなことはなさそうなのだが。

昭和天皇独白録 (文春文庫)

昭和天皇独白録 (文春文庫)

 私自身昭和天皇マニアで、『昭和天皇独白録』とか『近衛日記』とか読みまくった世代なので(だから『エスコート・エンジェル』に『和永』という元号があり、その時代の陛下が出ている)、今回のメモの内容を見ると、『そこそこ上手く似せてあるけど肝心なところで一歩踏み込んで誘導しているな』という感じにしか思えない。90%は昭和天皇マニアが資料をあたって合成し、のこり10%に作為を込めたような不自然さがある。
 第一、こんな形で関係者全員死んでてメモだけ出てきてあーだこーだいったって信憑性も減ったくれもない。タイミングも良すぎるし、それに中国が付け入るのも当然あり得る話で、おかしい。
 このメモを公表した経緯もおかしい。この元宮内庁長官富田氏のご家族は、富田氏と昭和天皇の顔に泥を塗り、日本という国をゆがめてしまうという責任をちゃんと感じていたのだろうか。こう言う時勢にこう言うタイミングで発表するとどれだけ影響が出るか思い至らなかったのだろうか。
 なぜ故人富田氏がメモにしたものの公表しなかったのか、その心すら分からなかったのか、とご家族は責められて当然である。
 これはあんまりだ。
 
 まあ、こういうメモがあっても、冷静な人々はまたマスコミがいらん煽りをしているなと思って粛々と進むだろう。だからこそ、こういうメモを出してまで抵抗するのだろう。でも、そういう勢力はかつては効果があったが、今の日本人はだいたい冷静であり、こんな誰も検証できないメモなど問題にすることはないだろう。
 ただ、この富田氏のご家族が痛々しい。なんでこんなことをするのか。

 そういや、『天皇家の戦い』だったかなんだかの書名で、大戦中の葛藤から空襲による皇居の一部焼失、そして終戦時のクーデター騒ぎを網羅した本があったと覚えている。

天皇家の戦い (新潮文庫)

天皇家の戦い (新潮文庫)

 この本は面白かった。懐かしいなあ。