本との遭遇・芸事というもの。

 で、ポストホビー厚木店には書籍のコーナーがある。
 おや。
 気にはなったがまあいいやと向かいのヴィレッジバンガードに。
 で、そこから通りの向かいのSATY内の福家書店に。
 そこにもおやというものがある。同じ本。

戦艦人間ハヤト (HJ文庫)

戦艦人間ハヤト (HJ文庫)

 で、結局購入。『戦艦人間ハヤト』(HJ文庫)。
 そして帰宅。ユキさんは家に帰ってダウン。
 で、読んでみる。
 こういうところに需要層は移動しているのかな。
 三次元曲面とか、殴打とか。
 人物設計について、変形かなと思ったけど、最近のラノベは読んでいないので何も言えず。今刊行点数がすごいからなあ。
 で、結局戦艦という観点で見る。というか、戦艦マニアとして戦艦度は見ないと。
 戦艦で殴打か。
 第一、艦なのに女の子にできないのもたいへんだよなあ。
 戦艦なんだから、できれば女の子で、ティアドロップ状のピクセルユニットシールドで守られ、背中から自己塑性可変翼をはやして飛び回って、レーザー砲だのミサイルだのをがんがん撃てなきゃ、ってそれはうちのBN-Xシファ級じゃん。すまん。
 でも、苦しんでいるなあ。導入部からスケープが見えるところまで、よどみないようでいながら何となくもどかしい気がする。
 手順としては隙もないし、無駄もない。でも、カタルシスであるスケープが開ける瞬間までがどうにももどかしい。それだけ期待させる導入を描けていると言うことなのだろう。
 で、正体が出たところで、ううむがんばったなあと思う。
 なるほどと思うところもある。
 で、自分だけかとウツになっていたのだが、やっぱり書籍は誤字があるのは仕方がない。
 第一何万字打つと思ってるんだ。240kBから250kB打つんだぞ。それもATOKのローマ字だと打鍵量はそのさらに倍なんだぞ(この本の作者は親指シフトらしいが)。
 誤字を見つけたぐらいでケチを付けるなんてのは最低だ。実際作家は初稿から最低でも5稿以上は編集者とやりとりする。部内検討はその3倍、あと本人で書き直しがさらに倍ぐらいあって、30回近く同じ原稿を見て、15回近くはまるごと打ち直すのだ。それでも誤字はある。でも、ミスが入ったからと詰るのは正当な評価ではなくひがみそねみといった評価以外の感情が入っているからだろう。惨めな連中である。
 で、ビジュアル的にないものをあるようにしていくのは私も苦労したし、実現できなかったところもある。
 結局フィクションでないものをあるようにしていく方向というのはとても苦しい。
 萌えだの好きだの嫌いだのとやっていくのもたいへんだけど、でも固有名詞として何かが使えるならまだ良い。
 それが使えない状況というのは大変苦しい。
 そこでうちはラウンドウェッジとかダブルカスプとか使ったのだが、思うように伝わっていない気もしていた。
 うちはもともとマニアなので単従陣だのコンバットスプレッドとか使えたけど、使えない環境もあるんだなあ。
 でも、どっちにしろ物書きというか、芸事一般にいえるけど、芸事はやる人が苦しんでナンボ。
ゲームセンターCX DVD-BOX

ゲームセンターCX DVD-BOX

ゲームセンターCX DVD-BOX 2

ゲームセンターCX DVD-BOX 2

ゲームセンターCX DVD-BOX 3

ゲームセンターCX DVD-BOX 3

 ぶっちゃけ『ゲームセンターCX』の有野課長や『水曜どうでしょう』の大泉洋と同じで、いかに苦しむか、いかに眠らないか、いかに酷い目に遭うか、そこでどうそれを表現するかが芸なのだと思う。
 これは講談社Kさんにも言われていた。
 あんまりサクサクやりすぎると見る方は面白くない。愚直に『なんでやねん!』とか『うわー、ひどいなー』とか『こっちただのおっさんなのになー』と言いながら運命に耐えるのも芸なのだ。
 得意なゲームでさくさく行くのは撮してもそこそこしか受けない。名プレー集はそれはそれで需要があるけど、しかしあのよゐこ有野さん(番組内では有野課長)が不器用にやって、同じところで1時間も2時間も苦しむから、スゲエと思う。
 『ゲームセンターCX』ではそのうえ有野課長が最近簡単にギブアップするようになった、『ガッカリしました』と言われるつらいシーンもある(みんな笑ってたけど)。
クイック・ジャパン (Vol.52)

クイック・ジャパン (Vol.52)

 いや有野さんだって他の仕事もあって大変なんだからさ、と思いつつも、それで発奮する有野さんに感情移入してしまうわけで、苦労はしないといけない。
 とくに芸事に直接つながる苦労はしないと。
 大泉洋も、『水どう』のサイコロ旅でいきなり当たり目を引いて東京から本拠の札幌直行便を当ててしまっては駄目なのだ。
 あくまでも東京から高速バスで高松とか引いて(しかもその高速バスが今時4列シートだったり)、そこから九州に迷い込み、岡山まで出てきて岡山から高速バスで徹夜で新宿に出て、いよいよ札幌直行便かと思ったらそこで新幹線で新神戸へ逆戻りするぐらいのヒドさがないと笑ってもらえないのだ。
 そういうボロボロの状態で『高速バスじゃもう眠れないんだよ』とか、『チューハイム』の話をするからあれだけの反響がある。
 ここらへん、私も省みてしまう。
 苦しいけれど、がんばらなきゃ。
 で、この本の総評としては、いいんじゃないかな。
 とりあえずこれまで戦艦擬人化系はそろえているので、ラノベ的にどうこうという品評眼はないんですが、でも良いと思う。
 ちょっぴり昔を思い出させてくれたし。うちの初期短編集のころを思い出すような淡い感じがいい。
 今思うと、言葉選びの淡さは今では別を選ぶけど、それは趣味嗜好が加齢とともに変わる。
 ナスとかレンコンの味が分かる時期になるまではちゃんと糖分とか塩分とか脂質がちゃんとある若者食をしてからでないと。
 久々のそういう味で、楽しかった。なんか気持ちまで若返っちゃうよ。33歳にもなるとなかなか加齢を感じてしまうのです。
 がんばらなきゃ。うちのBCEストーリー、架空ルポの体裁ですが、実は推理要素入っています。よろしく。無い知恵絞ってます。
 でも早くプリンセス・プラスティック/エスコート・エンジェルの権利がこっちに戻らないかな。来年11月となっているのだが。手続き上はプロに指導してもらったので問題はないはず。