『かぐや』番組の暗澹たる演出

 
 退屈きわまりない。いや、素材は十分エキサイティングなのに、演出が全てを台無しにしている。
 NHKは昔から悪い癖で生放送をやたらとしたがる。これはホントやめて欲しい。せっかくのインタビューは途中でブツ切りだし、音声ミスもあるし。悲惨。
 完全にNHK自責点。裏でレッズがアジアNo1を決めるかどうかというので戦意を失ったとしか思えない。
 司会との掛け合いも空回り。文珍師匠、どうしちゃったんだろう。そんなに興味ないのか? というか師匠、要らない方向に話をふくらませて必要な方向をことごとくブツ切り。インタビューもブツ切り。見ていて悲惨なほどに逆方向。
 スタジオと吾郎ちゃんのシーンを分けたのも不思議。シームレスにした方がいいし、なぜ吾郎ちゃんを出したかも疑問。
 CGの演出も下手。いや、モデリングは出来ている。しかし、それでどういう位置関係にあるかとか、もうちょっと見せ方があるだろう。えらく素人くさい。
 第一せっかく分離した子衛星とかぐやがなんで一緒の方向に行くのだ? あそこですこしずつ軌道を変えて行く姿を描いてこそのCGだろうが。
 なんか、この早い時間帯を撮ったことで力つきたような作り。
 美術費のあまりの無駄な使いすぎにも苛立つ。
 これが『わかりやすい演出』だと思っているのなら、あまりにも視聴者をバカにしていないか?
 お金があっても逆にどうしようもない番組になってしまうという例になってしまった。
 
 
 とはいえ、ホント、素材としての『かぐや』は面白い。あのねじりバネ式パージユニットもすごいけど、だいたいにおいてあれだけの質量をあそこまでの軌道にあげられるのがすごい。
 昔、H−2Aの3本抱き合わせ打ち上げの計画があったはず。あれが実現したら、カンタンに人間を宇宙に送り出せるなあ。
 これからもJAXAにはがんばってほしいと思う。
 そしてNHKは『かぐや』のまとめ番組を作り直してほしい。2時間ぐらいで、きちっと取材ビデオを編集して。NHK特集というしっかりした枠もあるんだし。
 そういや『はやぶさ』も戻って来つつあるんだっけ。


 日本って、こんなにすごい国になっていたんだなあ。