忠臣蔵でニン!(歳がばれます)

 テレビ朝日開局45周年『忠臣蔵』。
 上野介が伊東四郎というのは、どこかでギャグをやってくれないかなという期待がどうしても漂ってしまう。
 炭小屋で発見されるときに『ニン!』とか(歳がばれます)、『笑ウせえるすまん』ネタとかやりそうで、つい見てしまう。
 いかりや長介は『踊る』のときにしっかり『おいす!』とか、『だめだこりゃ!』をできたけど、時代劇では辛いなあ。
 内蔵助をやる松平健も、一瞬『マツケンサンバか?』みたいな不安も(ありません)。
 ついユキさんと見ていると、『殿』というのが基本では志村けんの『バカ殿』だから、不謹慎な想像ばかりが。

 それに今、10月に忠臣蔵というのも合わない。
 確かにいつもの忠臣蔵は年末で、ドラえもんスペシャルに喰われると思ったのかも知れない。

 でも、基本的に視聴者層ちがうんです!
 残念!
 季節はずれの忠臣蔵、斬り!(ギター侍風味)

 別に今の若者にとっては昭和・戦後直後も神話の域なんだから、吉田茂とか阿南惟幾とかいろいろやりようはありそうな気がする(いやそれは私が昭和史マニアだからだってば)。

 基本的に流行らない流行らないと言われるジャンルって、方向を見失って訳の分からん所に本格性を見いだしちゃうんだよなあ。
 演歌とか、書籍一般とか、押すところはそこじゃないだろみたいな。
 演歌が受けないと言うから、何をやっているのかと思えば『酒場の金魚』だし。
 忠臣蔵も、なんか四谷怪談と絡めたり、吉良邸が迷路要塞になっていたり。
 ちがうだろと。
 基本に戻ろうよ。
 時代劇の面白さって、そんなものじゃないはず。
 『新撰組!』だって、いや一生懸命カラーを出そうとしているけど、こういう時代劇って、特にこういう時代は普通にやっても面白い時代なんだからさ、なにも日野時代にジェットストリームアタックなんかしなくたっていいじゃん。
 そういうところが押すところを間違えてる気が。
 『新撰組!』は叩きも多いけど、どっちかというと演出の責任があると思う(脚本の一部を含めた広い意味で)。
 確かに当時の京都はいろいろな偉人が集結していたんだから、普通でも面白いと思う。
 でも、それを村おこし町おこしに分散させるから、なんだかだんだんガンダムの『何とかガンダム』の量産みたいになり、終いには『敵も味方もガンダム』になり、結局一話目はガンダムが盗まれないといけなくなってしまう。
 普通のことを普通にやろうよ。それも丁寧に。
 丁寧さの地道な積み上げに、大きなブレイクスルーがあるんだからさ。

 大河も秀吉のときの悪乗りから始まって、時宗なんか中国テイストが強すぎて据わりが悪かった。
 その点フジ『白い巨塔』平成版は確かに奇手はあったかも知れないけど、でもそれもちゃんと物語世界に忠実にやっていたから、ハズれっぷりも良いと思えた。
 まあ、種ガンも種デスガンも視聴率が良いと言うから、私のこういう感覚は間違っている可能性もあるけど。

 20:03、刃傷シーン。
 でも大事なシーンなんだからさ、明らかにシーン割りしちゃったみたいな作りはまずいと思う。
 内匠頭の役者が下手に見えるだろうが。いや下手かも知れないけどさ。
 それに20:54までの尺で、1時間経ってまだ四十七士の苦労が出てこないのが、内匠頭をバカ殿としないための配慮だとは思うけど、忠臣蔵は四十七士の話じゃん。
 ペースが遅すぎるよ。
 それに内匠頭、ここまでせっかく描いても2ちゃんだと『こんなに良い部下を持ちながら』とよけいバカ殿に見えてしまっているし。
 残念!

 20:36、ようやく切腹シーン。
 おいおい、四十七士の活躍はどうなるんだよ。
 明らかにペース配分間違ってるよ。
 それに松平健と言えば『マツケンサンバ』以前に『将軍にしか見えない』との意見も。

 で、ええええ!
 ここで終わり!?
 そんなあ!

 続く、だって。

 なんだ連続ドラマじゃん。
 にしては中途半端だなあ。
 これから延々と討ち入りまでをやるわけですか。
 ついていけないなあ。

 結局ブラックジャック見そびれて、悔しいので今回は最後まで見てしまいました。
 切腹