2006年年賀・ケルベロスシステム

 
 年賀状。イラレでパスを作ってShadeに送ってパースをつけた。
 これはケルベロスシステムというアメノミナカシステムの検証システムの一つで、タカムスビシステムのサブシステム。アメノミナカ世界の中でNexzipの不正な参照がないか検査する。Nexzipの参照関係を使えば膨大な距離をアメノミナカ内の処理だけで移動したことにできる(タイムスリップ+超高速移動=極超光速移動・時空転送)ので、時間管理機構やその執行艦隊の艦艇と、それに準ずると認められたものはできるが、時々それを不正に利用するものが出てくる。
 ケルベロスはそれがあった場合に作動する。極高速コンピュータで、原型はテイ教授が導き出した時空理論に基づく。
 シファを作った量子実装はテイ教授の中でもなかなか表現できず、結局アメノミナカというシステムがわかって、26次元のヒモの話を26個の座標値をもつ粒子だと考えても、その座標値を管理するアメノミナカは法螺が過ぎると彼は拒否していた。
 が、その頑固さはアメノミナカを運用するタシケント議定書のもとになる理論を作るためには必要と判断され、テイ教授は機構に薄々気付いていても、物理学者としての良心とプライドで結論をあえて述べなかった。
 全身麻痺のテイ教授にとって、物理世界は自由だった。しかし、自由の外側にはやっぱり不自由がある。彼にとって運命は過酷だったが、でもテイ教授は決してそれを嘆かなかった。