『有頂天ホテル』
楽しかった。いろいろと小技が積み上げられた映画なので、一つ一つの巧さを上げたらきりがない、と言うもので、全体でも非常に良い。まさに娯楽。
配役も良い。キャスティングスタッフが良く機能している。というか、これまでの映画だと、軸になるキャラクター数名に大物俳優をあてて売り物にするという設計が多かったけど、今回は徹底的に一人一人が有効に機能するオールスターキャスト。
舞台になるホテルもどこか古いホテルの感じが出てて、なおかつ事前のTV特番でもあったけど計算しつくされたスクリーンを一杯に使う絵作りに結ばれているのが良い。
実はラヂオの時間とかも見たけど、三谷幸喜は舞台、TVとやってきて、どこかまだ画面を使い切っていない感じがあったけど、こんどは完全に立派な映画監督の仕事をしている。着実にやることの質が上がっている。すばらしいことである。
娯楽という目的に忠実に、誠実に作られた作品。トータルバランスを考えるとディテールも『書き込みと省略』が妙を作っている。
三谷監督の会心の出来だと思う。
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