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日本政策研究センター - アーカイブス : 中国の人権弾圧に抗議を!
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 ご一読いただきたい。日本がアジア外交を立て直すのなら、それは中国共産党ノムヒョン政権と金正日政権との関係ではないことがはっきりしている。現実には現政権と交渉せねばならないと言っても、それでも特定アジアで今起きているおかしな現象を見過ごして『アジア市場を開拓する』などという商売人の欲望に乗ってはならない。
 商売人に倫理はない。先日も戦略製品である精密機器を売った。商売人は心を売る。しかし、真の経済人は、経済という数字の世界の中で、誰がどういう思惑で物を買うのかを見切るセンスで生きる。
 時々アンケートで馬鹿馬鹿しいものがあってため息が出ることがある。この会社は自分の会社の製品にどういう思いを込めたのか、そがどう伝わったのかをアンケート以外で知ることのできない会社なのだなと思うと、売れさえすれば倫理も法律もどうでも良いという商売人の浅ましさが見えてくる。
 もともと日本が中国に『侵略』したとされる根源は、満鉄を持ったときに商売人が国策だとお墨付きをもらったつもりで周辺産業をどんどん拡大させていって、しかしその満鉄の支配が点と線でしかないことが分からず、いたずらに奥地に市場を求めていって摩擦を起こし、馬賊などに攻撃を受け、それに対して石原莞爾がそんな無縫では駄目だと満州国構想を立てたところ、それも商売のネタになると商売人が食い散らかしたことによる。
 石原莞爾自身、その商売人の悪逆な態度に『日本はそのうち(ポリネシア・韓国・満州を失って)4つの島だけの国になるだろう』と嘆息していたとある。
 経済は、古典的だが均衡したり、欠点を補充したりする作用がある。だがそれは条件が整わないと機能しない。経済環境としてまともでなければ、そこに自由経済の自由はない。
 今の中国の自由経済は賄賂経済である。私の知る限りでも中国国内での共産党政権の暴虐はすさまじい。日本のNHKなどはアジアンパワーなどというが、あんな不正が横行している国をマトモ扱いすることがどうかしている。
 特に北朝鮮が追い詰まりつつある。米海軍はグアムに空母を追加し、またB−2ステルス爆撃機も展開し、またイージス艦も次々とスタンダードSM3搭載可能艦に交代し、自衛隊でも〈きりしま〉は横須賀基地公開の公開艦から急遽はずした。
 まさに北朝鮮包囲網ができあがりつつある。おそらくAL-1Aなども航続性能からしてすでに北朝鮮暴発時の弾道ミサイルの上昇時迎撃に対処できるようになりつつあるだろう。
 そういう時に、政冷経熱、中国市場は美味しいなどというのは長期的視野に欠けた目先商売人の欲望のまま動く醜悪な観点だろう。確かに中国人は、中共政権があっても勤勉である。しかし、目先商売人が美味しいと言っているのは彼らの勤勉さを安く買いたたけるからであり、中国人民とパートナーとして経済活動をしようという気持ちはない。
 経熱? 冗談じゃない。やっていることは搾取ではないか。日本経済人よ、今は資金が戻ってきているが、そんなもの一つ歯車が狂えばそんな虚構は吹っ飛ぶ。アジア共同体ができるまで、私はプリンセス・プラスティックの中であと100年近くかかると書いた。もっとかかるかもしれない。
 短期の仕事ならまだしも、長期の仕事、まして新幹線の輸出などリスキーだとなぜ分からないのか。もし北朝鮮がはじけ、連鎖して中共がはじけたら再建の回収など一切できない。そういうリスクのある取引をしている自覚は本当にあるのか。そんなリスクを背負うなら、日本国内で生じている地域格差のほうがまだ安全だし、みな和して利益も出るというものだろう。液晶パネル生産にしても結局技術を持っているのは日本であり、韓国はその技術を目先商売人に盗ませているだけだという。
 アジア外交を言う前に、日本国内での労働力問題を解決すべきだ。対北朝鮮外交をカムフラージュに使ってアジア外交をおろそかにしているという朝日新聞の観点は間違っている。本当に解決すべき問題は、日本国内で起きている深刻な格差だ。それはアジア外交では解決できない。
 なぜそれが分からないのだ? 朝日にしろ日経にしろ、高給取りの高学歴の人々が、さらに高学歴のシンクタンクに調べてもらってやっているのに、私がこうして新聞を読むだけで分かることがなぜ分からないのだ?
 結局、今の経済人は、旧帝国陸軍の野望を持った『下克上』の人々(井上成美)と何も変わらないのだろう。
 真に監視せねばならないのは、経済の暴走である。