喪失

 『よい子悪い子普通の子』の頃から見ている風見しんご(25日補・週刊欽曜日が初出との指摘あり。あれ、これもやってたと思うんだけどなあ)の子供が10歳になっていて、事故死という事に思いっきりテレ朝の番組がクリスタルサウンドジブリソング『君を乗せて』をかぶせて放映されてしまい、ものすごく胸が痛む。
 子供を失うというのはツライよなあ。誰を失ってもツライのだけど。魂は永遠といえども、やはり肉体を持って、抱き合ったりするときの幸せは他には代え難い。生きている身体同士でふれあう暖かみは絶大な情報量である。
 やはり側にいたい、一緒にいたい、そして二人で育てていきたい、という思いは我々夫婦の中でも骨の髄まで沁みて理解できる。
 以前、私は一人だった。父母がいても、その意味を知らなかった。いや、知っていたけれど、それは想像や空想の中でのメタ的な記号だった。
 ユキさんと暮らす中で、父母のありがたさ、子供の可愛さなど、ようやく人の簡単に言う『命の重み』が真にずしりと感じられるようになってきたのだと思う。