小沢一郎の偽装辞職

 というか、攻めに徹してきた野党だったのにのこのこ密室会談に行くのがだめで、その失敗で(たぶん公表できない系のヤバイ情報を見せられたのだろう)、その後民主党に戻ったらいきなり拒絶で、なんなんだ一体、俺がいなきゃまとまらないと言っていたのにそんなことか、とへそを曲げたのだろう。かつて総理大臣候補3人を面接試験したとキングメーカーを気取った彼にとっては屈辱だったのだろう。
 しかも小沢は選択肢がないのだ。逆に追いつめられてしまった。秘密会談と云う事で総理から頭を下げられたと思って気をよくしたらオマエこのねじれで2008年どう乗り切るのだと密室で詰め寄られ、戻ってみれば元から民主党には小沢アレルギーがあるので辞めると政治生命消滅か新党をまたつくって政変か、かといって民主に残ってもこれからまとまらないだろう。
 対して福田総理側は解散をしない限り衆院は堅いので、参議院無視といわれないためだけに小沢と会談したのだろう。エアラインでアテンダントに新聞を頼んだとき、新聞がもうないとわかっていても一度探しに行ってありませんでしたというマナーの基本をやったのだろう。
 参院のねじれを解決しようと思ってやってみたけど、できませんでしたと。
 これで『では衆院でガッツリ攻めます』という福田総理のフリーハンドになったわけである。
 2008年危機説は本当と思うけど、でもこの福田政権、エージェント福田というか、冷徹にちゃんと対応できるかもしれない。事実民主党ぐちゃぐちゃだし。
 これは福田総理のジャブが効いたのだと見て良いと思う。背後に中曽根大勲位とかナベツネがいたというが、それは彼らの思い上がりである。
 福田総理のチームがちょうど政治と金などと騒ぐ民主党を上手く揺さぶったのだ。
 まさに絶妙の手である。
 これだけできれば、実のところ2008年のアジア政局も乗り切れるのではないか。


 久々にいい仕事を見た気がしました。