悪意の閾値

 被災した上越新幹線『とき』の絵本調化した話を読んでボロ泣き。

 いい話だ。
 結局あの200系は分解調査されてしまうのだが、我々の気持ちの中では、きっと新幹線の耐震性能向上の報告書が仕上がったとき、新潟ではないけれどあの『とき』は『安全への貢献』という終着駅に到着するのだと思う。

 運転士さんも車掌さんも毎日の仕事だけど、我々にとってはたった一回、人生でたった一回かもしれない。その一期一会を、列車は黙々と運び続ける。
 
 夕闇せまるなか、電球色の電灯を灯しながらやってきたアイボリーの電車。
 行き交う人々。ホームを彩る人々の姿。去っていく伝統の3枚窓の顔の赤色後部燈。
 幼い頃からこの風景を思い続けていた。
 休日。展望席に座る少年たちを包むヴァーミリオンオレンジの特急。
 いつか乗りたかった走る喫茶室。
 
 それ以来、いろいろな列車に乗ってきた。
 ブルトレ『あけぼの』は夕闇の中一閃した汽笛が忘れられない。
 『いなほ』は亡き祖父とその快走を遠目にした。
 真冬に冷え込む50系に旧型客車の羽越線鈍行。
 東北新幹線にも乗ったし、車から見ただけだけど、深い雪の中、どこかのローカル線のプラットホームを照らす裸電球も思い出深い。
 
 思えば、ユキさんの家に旅立った日に乗った『のぞみ』。たしか700系だったな。それで途中から『ひかりレールスター』に乗り換えたんだっけ。あの旅は、帰りはフェリーと軽自動車だったので、往復にはならなかった。

 終着駅を迎えられなかった列車は歴史上いくつもある。
 私はこの『とき』脱線を初めて知ったとき、ドイツICEの脱線事故を連想して絶句してしまった。
 一人の怪我も出さなかった『とき』だけど、そのドイツICEもきっと高速鉄道にとっての貴重な教訓を導く軌道を走り、きっとまだ走り続けているのだと思う。乗車していた多くの乗客と共に。
 思いは残る。そう思いたい。

 悲しいのが、この『とき』の人の文章に逆読みしてケチを付けたヤツ。
 基本的に文芸評論の世界では全ての言葉は悪意を持って読めば誤読はいくらでも可能なのである。
 で、悪意のある人間というのはこの世の中に一定数存在する。
 この『とき』のフラッシュにも馬鹿どもがケチを付けていた。
 分母が大きくなれば、そういう悪意は表面に出てくる。
 見たくないけど、悪意は存在する。

 しかし町村外相がグッジョブと思えるのはその前(川口順子)とその前(マキコ)とそのまた前の外相(河野洋平)が屑過ぎたからか。王毅の『戦争メーカー』発言と共に、中国の恫喝とその野望が見えたという事。あーあ、こんなんで北京オリンピック開催出来るかなあ。
 
 同時に米軍は台湾に現役軍人を送り、なおかつ弾道ミサイル防衛開始。もう中国も追い込んだ。来年のアジアはどうなるか。風雲急っぽいなあ。
 
 ちなみに為替でドルが安いのが危ないと言っている人いますけど、為替はそんな単純なものではありません。その通貨を持っている国にとって安くなれば輸出が好調に、高くなれば輸入が好調になるので、どっちにしろ損得で均せばどっちでもいいんです。
 
 そんなに一方に傾くと大変だったら変動相場なんかやりません。未だに金兌換制でやっていたでしょう。いや、その場その場で取り引きしていると痛いけど、ある程度国際情勢を見ながらやっている経営者ならそのリスクは分かってるでしょう。
 
 財政とは、私の家庭を営む上でよくわかったけど、現実の数字を全て見ないとウンヌン出来ないのです。野党はバランスシートだのと分かりやすそうな言葉を使っているけど、現実にお札を刷ることも財政を緊縮することも、もっと高度な判断からの采配なわけで、いつもマスコミのやる国民一人当たりの国債額がウンヌンってそういう単純なものではない。
 
 ただ、単純じゃない部分と単純な部分の線引きができない連中がいたわけで、そういうのが線引き出来ないのを良いことにグリーンピアみたいなのをじゃんじゃん作ったわけです。でも、政策的な投資の評価は難しい。その評価をするのに重要な数字を政府が内部に隠している。しかし、その数字が出たところで数字にならないものとかも勘案せねばならない。
 
 そういうのは現実にはもう床屋談義みたいなものでは扱えない。責任ある政治家に任せるしかないのだ。
 
 しかし小泉さんのツキは異常だな。ここまで付いているんだから、もう少し任せて置いた方が良さそうだ。少なくとも小泉をポチ呼ばわりしている連中は国家運営というものの重みと奥深さに思いが至らないのだろう。
 
 あと、ふと思ったけどちょっと前に人民元の切り下げを中国政府が拒否していたな。今回はそれに対する報復なのかも知れない。少なくともドルを安くしないと人民元とのバランスが悪くなるのはすぐに分かる。そして中国も韓国も日本を仮想敵国にしているのは周知の事実。中国投資が美味しいというのは危険と言ってたけど、マジヤバイ。
 
 確かに中国人も、個人を見ればいい人もいる。トミーテック『街並みコレクション』とか『バスコレクション』の出来を見ると、中国人って真面目だなあと思う。でも、その裏では中国共産党一党独裁政権があり、今でも政治犯がある国なので、そういう体制への不満を全て日本に向くように仕向けている無理はある。

 ビザ発給は合法ですけど。中国潜水艦の領海侵犯は違法ですけど。天安門事件だってまだヨーロッパからは中国ヤバイと思われる原因のまま積み残してますけど。

 金は欲しい。でも政権に人民の批判が来ると困る。だからなんでも日本のせい、というアヤつけ。『人民の心を傷つけた』日本人である私の心だって中国の内政干渉でムチャクチャ傷ついたよっ。反省と謝罪を。
 
 http://www.haro.or.jp/(大山商店街)の『大山の歴史』がイカス。
『昭和39年のオリンピソク』『「八ッピーロード大山商店街」』『板橋区でも最大のショツピンク街』『商店街のスローガンとして「−生づきあい」が採択されました。』

 マイナスに生きる。なぞ。
 
 ユキさんがクリスマススペシャル絵を書いているんだけど、24:35、何か変だと思ってたら手が逆でした。親しき仲にも常識あり。しかし普段の睡眠状況からするとオーバーワークのユキさんにはツライかな。
 
 と思ったらユキさん、その手をトリミングで切りました。そーか。それは確かに正解だと思う。おっけい。