『抜き身の刃』発売と新作
抜き身の刃。
システムエンジニアの話ですが、もともとはマニ30という現金輸送客車の話だったんです。
http://www14.plala.or.jp/mani30/
実在する客車で、紙幣とかを運んでいたようですが、しかしいつまでも紙幣の時代ではないだろと。
そこらへんからセキュリティの話になっていきます。
鍵配送問題とかの話から量子暗号まで。
結構クリアに描いてあります。自分で読んでも上手く描けたと思う。というか、この暗号の話部分はほぼ絵本に近く単純に正確に描けていると思う。
そして、ホワイトインテグレートという企業。下請けではあるんだけど、アクティブクライアントというクラスターシステムを応用した携帯端末の開発で一気に首位を目指すということに。
ところが、その端末は悲運の端末で、その誕生自身が……。
モノを作り、働き、お金をもらい、愛する人と暮らし、子供を産む。
子供の頃は思わなかったけれど、社会人となり、その上で個人として働くと、いくら愛する人と一緒でも、心細い。
愛していても、それだけでは生きていけない。
そこで、彼は仕事という戦場へ行く。
死屍累々の戦場へ。
企業の経営者の苦しみも、その更に上の政治の苦しみもある。
世界最大のソフトメーカーのトップでさえも、苦しんでいる。
そして、傷付けあうしかない牙をもたないケモノ、人間。
そのなかで、切れる刃として、学生時代からさまざまな功績を挙げてきたエンジニア、八幡。
彼は、結婚して刃を納めたはずだった。
しかし、その刃を巡って、人々が動いていく。
親友の折尾、そして先輩の生原。
さらに、国産OS、OPEN-QR研究室に集ったエンジニアたち。
繋がっていく人々は、アクティブクライアントでもういちど夢を見ようとする。
しかし、その夢は……。
なんて話だったんですが、実はマニ30は実在しまして、しかもこの前小樽で公開されちゃったんです。
それ以前から描いてあったのに、刊行の時期を逸してしまいました。
で、そのマニ30がなぜ公開されたのか、そしてその実際とは、という話に書き換えて公開しました。
よろしくです。
つか、編集さんに相談したところ、やっぱり私の立ち位置の問題になる。
受賞歴無しのたたき上げの作家にお金をかけることは、編集さんが理解しても、決裁をする重役連中が理解するまで待っているわけにも行かない。
というわけで、目下Web onlyになってますけど、でもWeb先行公開とお考えいただければ。編集さん自身も、複数の会社がこのWeb販売と紙媒体の流通は食い合わないでしょう、とのことです。
朝、キハ160の夢を見る。
本物のキハ160はJR北海道に1両だけしかない気動車なのだが、私が夢に見たキハ160はリゾートしらかみのような前面で、車内の内装が素晴らしい列車だった。
特に連結部と、トイレ部分の設計が素晴らしかった。連接車のような大きな連結部で、防音がしっかりしていた。
で、なぜかその幻のキハ160のNゲージの模型が出ている記事を夢で読んだ。
必死に読むけど、どの模型メーカーか分からない。
朝起きてgoogle検索すると、ガセ夢だったことが判明。がっくり。
とはいえ調べていて見つけたTOMIXのNゲージ車載カメラシステムにもビックリしたけど。
http://www.tomytec.co.jp/tomix/report/n/nj_037.htm
これだけ大きく延ばしてあのカメラレンズ穴なら、普通に走らせても問題ないなあ。
ムリヤリにリッジレーサーズ(PSP)のBASICツアーを攻める。とは言っても1回だけなんだけど。最後のコースがすげー訳が分からない。でもコースを周回するたびに発見がある。それと、途中通過する牧場で牛が動いていたり、ファイナルラップで鳥が飛ぶジョン・ウーみたいなシーンがあるのが凄い。PSPすげい。
『ランダムドリフト』着工。普通に地味に描き始める。後でケレンのあるシーンができたら前に持って来るということで、まずは描き込み。
描き始めたら大図検討で考えていなかった設定が必要になり、調べもの。
で、結局30枚あたりまで進む。『エースアクティブ』や『抜き身』、そしてこの話の後は『極闘!』に繋がる話で、時空管理機構を主役にした精神科医の話。SFです。紛れもなく。
ユキさんは領収書整理。去年1年の行動が全て分かってしまう領収書の束。4月までの8カ月分の整理がなんとか終わった。
今日はそぼろカレー。私が突然カレーが食べたくなり、それでユキさんが作ってくれます。いいのか。
と思ったら、非常に美味しかったです。肉がバラ肉でなく挽肉だったのだけど、肉の味がイイカンジに広まっていて美味しい。
NHK憲法問題の電波。世界は戦争を非合法化しようとしているという。
戦争の本質を全く見ていない。
生き死にが関わる対立では、戦争しかない場合もある。
戦争するぞ、と脅せば妥協すると思われてしまったらとんでもない。
今の国際社会は、交渉で可能な限り問題を解決しようとしている。
しかし、それも戦争になる事態がありえて、そうなったら互いがただではすまないと合意しているからである。
それが一方的にただで済むと思わせたら、生き死にの関わる交渉事での妥協は死である。
そんな妥協で戦争が回避できても、戦争で死ぬか、平和で死ぬかの違いに過ぎない。
そして、戦争を非合法にしても、戦争は起きる。
そのときの戦争は、なんのルールもマナーもない、まさに理由無き虐殺となる。
発想が冷戦時代で止まってるよ。人の命は大事だけど、でも一人殺すも二人殺すも同じというのは子供の発想だよ。
本来戦争というものは生き死にの関わる問題を、流血の事態で我慢しあって、再び交渉を再開するための政治の一部だろうが。
法律で管理できる領域を増やす方向にあるというのは了解していたけど、非合法化するというのは知らなかった。
ったく。