レバレッジド・バイアウト

 なんつーか、自我が肥大しきって、引っ込みつかないところの火に、外資が油を注いで儲かる儲かるとやっているような。もはや主体はホリエモンではなく外資な感じ。
 外資が美味しそうなフジテレビを美味しいところだけ持っていって、フライドチキンの殻だけをライブドアホリエモンとフジテレビに残して引いちゃうような図式がほの見える。
 まあ回り続ける車輪、誰かが止めるまで回っていくんだろうけど、これって小さなバブルだなと思う。
 金に金を貸して、更にその借金に金を貸す。元の金が崩れたらもう全部つぶれちゃうみたいな。
 ニッポン放送保有しているフジテレビ株とLDの株を合わせて25%とは言っても、基礎体力としてのLDの企業力の限界が著しく小さく、いくら国内のおじいちゃんたちがお小遣いくれるって言ったってそのおじいちゃんたち(投資ファンド)が馬鹿を見る可能性のある連中なんだし、またしてもこのおじいちゃんたちとホリエモンとフジテレビがぐるぐる動けば儲かるのは証券会社だけでしょ。
 第一ニッポン放送株だって半分以上取ったといってもその中身自身に価値があるかないか当のホリエモン自身分かっていない。そんな人間に企業統治なんかできるのかい。
 でも、世の中には器だけ用意してくれればナントカするという人々はいる。自分の限界も分からず、自分自身の安定的な自我がなくて、不安定な自我を拡大で補償するような、言うなれば羽海野チカハチミツとクローバー』の青春スーツを着たままのような未熟な作り手がうじゃうじゃといる。そういう連中って自我が安定していないから、安定させるために無理な拡張と無理な友達作りをする。
 でも、そういうものはいずれハジける。プチンと弾けて、あとになーんも残らないなんて事になる。
 しかし考えればおかしいよなあ。価値がないから価値があるようにすると言うニッポン放送やフジテレビの将来的価値に金を出すというけど、でもここまでこじれて将来なんてあるのかな。疑問。
 まあ頭のいい人たちがやっているので、頭のいい人たちは既に脱出して影響を受けないところに身を移しているでしょう。
 
 しかし、LDに買収された弥生会計の社員へのインタビューはきつかったなあ。まさか『ホリエモンってセンス無いと思っていましたけど』『あんな若造に何ができると思っていたけれど』『仲間は見切りつけてボロボロ辞めましたけど』なんて言えないしなあ。
 企業勤めも大変だ。まあうちも出入り業者なわけで、厳しいこともあるけれど。