一つの考え

 朝早めに起きるが、今日も眠気が強い。
 結局午前はあきらめて眠り、午後から仕事。
 コンビニで『Roots AROMA BLACK』を購入、眠気払拭のために飲む。
 しかし、缶コーヒーのカフェインってヤバイよなあ。だって、飲んだ後、おしっこにいくと尿から思いっきりカフェインっぽい匂いがするもの。
 薬の専門家に聞くと、コーヒーとかそういう何気ないモノの成分は、意外と未だ解明されていない部分もあるらしい。
 サプリサプリといっているものは分かっている成分を増強しただけで、未解明の成分についてはカバーしていないので、やっぱり普通の食物でそういう成分を都ると思っていた方が良いらしい。

 『大和不沈』。ドイツはロンメル将軍のクーデターが成功してナチス崩壊、日本はフィリピンからの米軍の台湾爆撃で開戦、初戦で米戦艦群を撃沈するけれど、結局早期交話が実現せずズルズルと消耗戦となり、それでも日蘭会商で物資が払底しないために言い勝負になるけれど貯金だったトラック島の艦隊が核攻撃で全滅して形勢不利となり、結局沖縄決戦という話です。
 沖縄での戦車戦と戦艦大和の運命がキーで、それに沖縄戦で余り知られていなかった話を軸に推進。現在200枚。秋から冬に刊行です。

■ここからは砧さんのご家族へのメールの私の返事なんですが、私の書いた部分で特に問題がないと思うし、私としても強く言いたいことなので、転載しておきます。

 砧さんの思い出として強く残っているのが、我々が結婚して初めて仕事で東京に行ったとき、ついでだからと船橋サイゼリヤでやった宴でした。
 軍事の渋い話を伺い、そのときに拙著『航空護衛艦』を廣済堂から刊行する話になり、私のほうで既に話は進めていたのですが、砧さんは『廣済堂はヤバイ』と仰っていて、かといって私はもう原稿を持ち込んでいたのでキャンセルもできず、まあなんとかするしかないですね、と話しました。結果『航空護衛艦ほうしょう』は3巻組のハズが廣済堂側の都合で2巻で止まることとなり、苦渋の決断で3巻はウェブで公開ということにして、2巻は当初のペースで描いて出版しました。
 やはり砧さんには営業面で教えられることが多かったです。私はいつも出版社に電話をかけて、担当者のメールアドレスを聞いて原稿のデータを送って検討してもらうという持ち込みしかないので、砧さんの交友の広さが羨ましかったです。
 実は私は84年ゴジラ、新宿副都心にゴジラが初めてやってくる話を中学の時に見て、そのときの重厚な物語が好きで小説に向かったので、ゴジラをいつか描きたいと思っていました。スーパーXという自衛隊の秘密兵器が出てきて、その後のゴジラにもスーパーX2などと出てきたので、そのスーパーシリーズの総決算としてスーパーY、空中戦艦『やまと』を登場させてさいたま副都心でゴジラと対決する話をやろうとしていたのですが、砧さんも『もう映画のほうはつてが細くなっててね』と自分のことのように残念がってくれたことを思い出します。
 年上でキャリアも上なのに、決して親分肌や先輩肌にならず、親身に、それでいて私を年下ではなく、対等の書き手として尊重してくれました。
 現実には私自身、良い悪い意味でもセンセーショナルなデビューをした身です。Kさんという今の講談社文芸第三の部長に持ち込み原稿をやって、菊池秀行さんや東野圭吾さんと同じ月にデビュー作を刊行し、それが結局いろいろと訳の分からないことになって、ウェブで叩かれたりしました。
 その後、文芸第三からもう1冊出して、白石から1冊出して、そのあとSFとしてデビュー作と近接する『エスコート・エンジェル』以降のプリンセス・プラスティックシリーズ5冊刊行となり、これもまた徹底的に叩かれました。我が身の未熟と思いますが、それでも砧さんは私を尊重してくれました。

 私にとっては、部分は全体に、全体は部分に相似するフラクタルとか、さらには量子力学を使ったストリング理論などは私の作品の基本です。もちろんそのまま出せば引かれるので、それをくるんでくるんで軍事知識とかでカモフラージュしながら、実のところ宇宙の開闢から宇宙の放散まで、この宇宙の全歴史を、それも多世界解釈という量子力学で一番右翼な理論をあわせて描くのが私のテーマです。
 そのなかで宇宙の始まりから遠い未来、タイムマシンの実用化を迎えたそのとき、ホーキング博士の提唱する時間保護仮説と矛盾しないように、『時空管理機構』が国連のもとに組織され、その執行部隊と共に宇宙の始まりから宇宙を再フォーマットし、矛盾がおきない『アメノミナカシステム』というコンピュータのストレージのように宇宙を組織して、時間を自由に共有する未来を書くつもりで、事実プリンセス・プラスティックではそれを書いているんですが、なかなか上手く描ききれず、課題として今も描き続けています。
 その執行部隊が宇宙を再フォーマットするところで、そのフォーマットを有利に利用しようとナチスが違法にタイムマシンを作り、それで時空管理機構と争う、というのが零艇のバックラインです。
 あの零艇の続きを今描いています。沖縄攻防戦です。

 私としては、私は実は自分の書いている小説は職業として書いているだけでなく、人生の規範であり、信念として描いているので、SFといいながら実はアメノミナカというシステムを心の底から信じています。
 時間をなぜフォーマットするかというと、有名な親殺しパラドックスが発生してタイムマシンが破壊されたり、時間ソノモノが破壊されるのを防ぐために、親を殺せないように宇宙開闢からタイムマシン合法化までの順序のある時間を保護する、それがフォーマットの理由であり、時空管理機構の役割なのです。
 そして、そのフォーマットが済んで以降は、時間は順序がなくなり、自由に自分で設定できるようになります。
 その時代の人間は、身体を持ちません。意志だけを持つのです。そして、時間を設定することで身体をもち、それに宿ります。身体を共有することもできます。
 そのうえで、過去にタイムスリップするときは、身体を過去に持っていくのではなく、アメノミナカというコンピュータに保存された順序のある過去のデータベースにアクセスし、その中で生きていた生命の情報を共有して体験するのです。
 これは結構自分としてはマジで信じてまして、その身体を持たない時代をいわゆる死後の世界と思い、順序のある時代を現代だと思っています。つまり、今の人間は全て、もともと順序の要らなくなった未来に住み、その未来が完全に熱力学的に崩壊するのを防ぐために現代に戻って生まれてくるのだと思っています。
 これは私の考えなのですが、しかし、事実物理学では扱えない問題がいっぱいあります。
 一番のヒントは、物理学は『現在』を定義できるかという問題です。
 物理学でも時間は扱います。しかし、それは任意の時点と、そのあとの任意のもう一つの時点の間の『変化』であって、『現在』ではないのです。
 時間理論というのは今はまだ現実味がなく、研究も一部でしか為されていませんが、私としては宗教を包含する究極の科学と思って研究しています。そのため、私は家を『未来科学研究所』としているのです。

■ここまで

 こんなことを考えています。

まる子だった』を書庫の整理で発見。→Amazon
 このころのさくらももこは切れていると言うより、半分狂っていたようなすさまじい文章である。おかしさが凄い。いや褒め言葉で。



 夕食はおうち焼き肉。美味しかった。タレは牛角のタレを使った。ユキさんと一緒に堪能する。
 ユキさんはその後就寝。

 2時、『大和不沈』237.5枚。進捗として満足すべきものがあったのでミニグラスに一杯のワインを飲んで就寝。