朝日新聞、をどりのあと。

 16日朝日朝刊はかなり必死に電波を発振している。しかしそのほとんどが印象報道であり、国営靖国神社への批判も結局は津地鎮祭判決を取り上げず、まったく奥行きのない紙面構成である。
 必死さは伝わるが、ただそれだけの新聞に成り下がったと思える。事実の報道よりも印象だけで文脈を作る、いわゆる築地踊りは今年はかなり必死である。
 もう観客があきれているので、もっと強くやらねばと必死である。
 でも、そこには奥行きを持った思想も信条もなにもない。単に特定アジアに媚びを売るだけの浮ついた新聞だというのが良く分かる。こういう新聞だから、戦前に行け行けどんどんな報道をしたんだろうな。
 陸海軍は率直な反省とともに国民とともにある頼りになる自衛隊となり、統合指揮システムもでき、シビリアンコントロールも上手く機能して粛々とやっているのに、マスコミは戦前ならまだしも、戦争へあおり立てていった姿から何も変わらない。
 ウェブのあちこちでマスコミの変節ぶりを言われているのだが、実際図書館に行って縮刷り版を読めばいい。本当にひどいものである。
 まさにマスコミこそ先の戦争でのA級戦犯ではないだろうかと思わされる。


 あと、その朝日にお金を払ってその電波ぶりを監視しているが、本当に天声人語、質が落ちた。
 とりあえず『最近の言葉から』はやめてほしい。手抜き過ぎる。
 まあ、今朝の朝日新聞は全紙面が『最近の言葉から』という他人の言葉の端をつかんで自分たちのイイタイコトに沿わせてモンタージュを作るような印象報道だから、もう呆れるしかないのだが。
 中華日報東京支社と言われても仕方のない新聞だからもう期待できないけど、でも小泉政権を総括するときに、国民がどれだけ小泉改革と抱き合わせの悪法で苦しんだか、全然取材できていないようだ。


 PSE法案にせよ、老人介護の問題にせよ、本当に深刻な事態が進行中なのに。
 特に今、パチンコ業界と老人介護の現場は第二の土建業界のように利権まみれのとんでもない状態である。


 たとえば介護の現場で、寝たきりになったり歩けない高齢者が、もう回復は無理だからと、もう死ぬまで使うのだから介護用具、車いすやベッドを、じゃぶじゃぶと金のかかるレンタルではなく、購入して節約しようとすると、突然補助がなくなりまるまる実費を払わされる。
 レンタルだと自己負担額は少ないが、しかしお年寄りはちゃんと考え、自己負担ではない補助が公的資金であり、それをじゃぶじゃぶと使うのは勿体無いと、レンタルではなく買い切りにしようとすると、レンタルのまま補助金をじゃぶじゃぶ使えというのである。
 購入するよりも遥かに大きな額が介護用品レンタル業者に公共の福祉補助とともに投入される。
 当然レンタル業者は丸儲けで、例によってその業者は厚生労働省の官僚の天下りの受け皿になっている。
 酷い話では老人介護の現場では、車いすどころかスリッパ一足がレンタルで月何千円もして、しかもそれを『ほとんどは補助でまかなえますからご負担はないですよ』と業者は言っているという。
 その補助は我々の払った税金ではないか。そのスリッパがどれほど豪華かというと、ダイソー100円のものと何にも変わらない。でも老人介護用の公費がじゃぶじゃぶと使われ、それが厚生労働省OBや関連企業に流れている。
 しかも、現場で働く介護士はバイトで使い捨てである。こんなボロい金儲けがあるだろうか。
 そんな状態を放置して、谷垣は福祉のカネがない、消費税を福祉目的税として増税するという。
 国民をどこまで馬鹿にしたら気が済むのか。安倍・麻生はまだいいが、福田に続いて谷垣も政権担当能力なしである。


 パチンコも、やる人の気が分からない。あれってギャンブル、賭け事である。しかも上がりは総連経由で北朝鮮に流れたり、そうでなければ警察OBの関連企業に流れるようになっているのだ。昔から競輪競馬ばくちのたぐいで蔵を建てた人がいないというのを誰も言わない。ましてやそれをテレビで面白いもののように放映する。
 あんな単調でやかましく見苦しいパチンコの機械を見ていて楽しいと思う神経が分からない。もっと他に楽しいことはあるはず。風物を感じたり、美味しい食事を食べたほうがずっとためになると思う。
 しかも、実は日本で現在非常に多い自殺者のなかには、パチンコやスロットといった、気晴らしと言うにはあまりにも高価でリスクの高いギャンブルに無知からはまって依存症となり、例によって武富士とかアイフルとかから借りて、それに『相談』したらうちの借金だけは返せ、その返す金はもっと怪しく高金利の街金から借りろと言われ、自己破産することもできずに首を吊る例が少なくない。
 こういうことを、マスコミは全く報じない。なぜかというと、マスコミはこういったとんでもない人たちからの投資をもらって利殖に励む営利企業だからである。報道の名に値しないのだ。
 まったくとんでもない人々である。しかも、そういう企業とつきあって限りなく犯罪に近い仕事をしていても、私のような貧乏ライターよりは良いと思っている人がいるようだ。それは賃金だけの話で、しかも良心、真心を売り渡して得た金ではないか。
 今、心の価値、目に見えない倫理や恥の概念を失い、ただカネを無駄遣いしてそれをセレブと褒めそやす世の中になっている。


 でもその実は、IT長者でさえも、よく見ると海外でフリーで頒布されているソフトをもってきて弁護士と結託してあたかも自分たちが開発したかのように権利を主張してソフトとしてパッケージして販売して儲けている人もいる。もとがフリーだからそりゃ儲かって当たり前である。しかも、売ったら売りっぱなし、そのソフトのサポートはほとんどなし。で、文句を言われると結託した弁護士にノルマを課していちゃもんをつけまくる。そりゃ儲かるのが当たり前だ。だが、それも犯罪に限りなく近いではないか。


 これが平成日本の金儲けの実際だ。世の中に疎い私ですら、これぐらいは調べることができる。それができないマスコミに報道、道を報じるの名の資格はない。