ブランド力という幻想

 SONYというものに誤解のある人が多すぎる。ソニータイマーと呼ばれる補償が切れるころに壊れるように作ってあるモノ作りの倫理に反する行為は有名だが、SCEIもひどいものである。まあ犯罪とは言わないけどさ、『ロコロコ』の歌、あれ、話題になったからCDで売るという。
 ホント、目先の商売に目がくらんで大事な商売を失っているの典型だ。今時CDで売るという神経が完全に世の中見えていない。たかがCFソングを、人気が出ているかどうかも分からない段階から売ると公言。これも自分の仕事をモノ作りではなく消費者の財布からカネを奪い取るという発想だろう。
 モノを売る、お客さんがほしいモノを作って、それをお客さんが評価してお金を払ってくれる。それがモノ作りの商売だろう。
 それが、ブランド力という人々は、客なんかクソなものでもうちのブランドつければ馬鹿だから買うんだ、ついでに馬鹿からむしり取る金額も少し増やしとけ、どうせ馬鹿だから買うんだ、という姿勢と何のかわりもないことを理解していない。
 常識的にまずしっかり流行るように無料着メロとかで広めてロコロコというソフトの本体を売り、そしてそれと平行してダウンロード販売で良いではないか。
 サントラを販売するのに、サントラだけあってもとの作品がないなんて、まあ馬鹿なCFプロデューサーはティーザー広告のつもりかも知れないけどさ、それって客を馬鹿にしすぎだろ。
 著作権うんぬんと言うが、著作が広まらないのに著作権を主張したら、なんだヤクザな会社だなと思われて企業イメージが低下するだろうが。
 VAIOもHitbit以来のPC発売ではじめは低姿勢で良かったらしいが、またSONYブランドを勘違いしてライフスタイル提案などといいだし、現実にはクソ重くて互換性も何もなくCDに焼くことも制限しているSonicGateを始め、デザインばっかり凝っていても何をするソフトか分からないソフトを出荷時に山盛りにしてハードディスクの容量を圧迫し、ユーザーからそんなウザイ機械だったらいつとどくか分からないけれど安いという取り柄だけはしっかりしたDELLとか、それよりは安くないけど気持ち安心なエプソンダイレクトにしようとか、思うように作れる自作PCのほうが作る楽しみがあると思われているのが実情だ。
 ウォークマンも絶滅しかかっている。iPodに完全に負けた。
 うちはネットワークウォークマンiPodも持っているので分かるのだが、iPodiTunesはセキュリティでユーザーに不快感を与えないように配慮している。しかしネットワークウォークマンとSonicGateは、とくにSonicGateが動作感覚でもデザインでも機能でもiTunesに劣っている。先ず第一にiTunesのマネであるうえに、マネしてマネしたもとより悪いというから救いようがない。
 なにかというとセキュリティ、著作権チェックをやって、ユーザーを待たせる。しかもiTmsに対抗して作ったMoraはぜんぜん音楽を網羅していないし、ダウンロードして買った曲の中にはなんとCDに焼けないモノがある。びっくり。ここまで消費者を信頼していないのかと呆れた。
 ブレイブストーリーの主題歌『決意の朝に』がまさにそれである。買ってもCDに焼けない。ネットワークウォークマンがなければPCでしか聞けない。結局私は自分の車のオーディオで聞くためにアナログ出力でWavに変換してiTunesにインポートし、CDに焼いた。
 昔のテープレコーダーの時代、ダビングは個人の視聴の範囲内なら自由、として、ある意味視聴者を信頼していた。あのころはテープもCDもちゃんと売れていた。
 しかし、今は視聴者を疑い、本来作品として広く視聴されて人気が立ち上がっていくべきものを、人気が立ち上がるより前にヤクザな姿勢でいちゃもんをつける
 そりゃCDが売れなくなって当たり前である。


#ちなみに、うちの小説ダウンロード販売にはコピーガードはなく、生テキストデータで売っている。個人の閲覧の範囲内なら、さまざまな端末へのコピーも許可している。再販売とか再配布、公衆送信(アップロード)は困ると言っているが、でも買ってくれた人を信頼している。
 ただ、それでもその信頼を裏切って公衆送信したバカがいてビックリしたけど、でも私は購入者を、読者を信頼し続けるつもりである。しかし、それでも公衆送信をするのなら、法的手段をとる可能性は言及しておく。ちなみに現在、そういう無断公衆送信は刑事罰の対象である。


 で、もとにもどるが、結局SONYは未だに一人バブルの状態なのだ。
 クオリアブランドのどでかくて重くてバカ高いトリニトロン管テレビの末路、液晶の省スペース省エネルギーに勝てないことが判明したときにはすでに液晶は他社に出遅れ状態となった。
 まさに出井体制はSONYブランドを勘違いし、SONYに寄せられていた信頼をブランド力という勘違いですべて金に換えようとしてどっちも失った戦犯である。
 でもこれもマスコミは言わない。SONYにCFを出稿してもらっているからだろう。