無難な国で十分

 マスコミは安倍政権のそつのなさと、それに対する国民の支持にかなり苛立っている様子。要するにネタがないのだ。
 あたりまえである。北朝鮮が核を持って恫喝してくる現在、下らぬマスコミネタを提供することで国内が不安定になっては最悪なのだ。マスゴミは政界ネタがなくなって不満そうだが、国民もそんな下らぬ憲法だの靖国だのの神学論争に付きあうつもりはない。もっと国民は忙しいのだ。
 ここで民主党がパート雇用問題、偽装請負問題、ニート問題に手を付ければ国民は民主党を支持するだろう。しかし、そのかわり民主党は防衛政策では安倍政権を継承するとしなければ国民は不安で支持できない。
 現状の安倍政権の対外政策は現状で見ていちばん現状維持に徹する手堅い方法である。安倍内閣では予想どおりローゼン麻生が尖兵を買って出て釣りをしている。これがすばらしい役割分担である。
 こうやってうまい具合に左翼を挑発しているので、アメリカも北朝鮮核と中国人権問題を放置できない。日本の外相と閣僚が北朝鮮中国対策にアメリカとは別の独自の手を打とうとすると、日本国内の左翼が過剰反応して彼らが国民の支持を失う。
 しかし、アメリカも太平洋政策の枠組が崩壊しかねないので手を抜けない。国内国外への両睨みの手である。
 「美しい国」は安倍総理の理想だった。しかし現実は岐阜県庁やあいつぐ教育の不祥事という現実の前には、「美しい」以前、まず「まともな国」にせねばならない。その手順を崩して一足とびに「美しい国」は実現できない。安倍総理はそのことをよくわかっている。
 今はマスゴミの手に乗らないことである。民主党も冷静にスルーしつついくべきである。本格二大政党時代の実現のためには、民主党マスゴミとも違う軸を持ち、対決姿勢などにこだわらないことである。
 対決姿勢など社会党への逆戻りである。愚策きわまりない。
 社会党はもういらない。民主党が今の社会党のような数人しかいない零細政党になりたければ対決姿勢を取ればいい。しかし政権交代を狙うなら、交代した瞬間にこれまでの友好国からがっかりされるのが見え見えの対外政策をもつのはやめるべきだ。