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電脳コイル アクセスガイドBOOK

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 浴衣姿3態。
 技術的に進んだ時代だけど、どこか郷愁をそそる世界。
 子供たちは技術を身につけ、知識を持ち、次々とオトナの知らない世界を見ていく。
 しかし、それでも子供。いたずら、幼すぎる恋、もてあます感情。
 ちょっと話としてはユルメだったが、しかし世界観を作る中で非常に効果的で手抜きのできない話だったと思う。
 特にイリーガルとペットの近似は、例の一本残った『架空の怖い話』のなかの本当のことにつながっている。
 本来なら脳と意識のハードプロブレムの、それまたさらに難しい少年期・少女期という話、さらには遺伝子的アルゴリズムと意味−記号の関係に近づく重要な回であったように思う。ユルメにしながら、ヒントは渡された。いや、逆にユルメだからこそ、ヒントを受け手に与え得るのだ。四六時中切ったはったのアクションではこういうなぞを秘めた深い世界を書く時間的余裕が作れない。


 うちもこれをやりたかったんだけど、そうはいかなかったんだよなあ。
 くやしいよなあ。
 
 
 たぶん、もう二度と実現しないだろうな。